Jリーグ、チャンピオンシップもいよいよ決勝。決勝は年間順位首位の浦和レッズVS年間順位3位の鹿島アントラーズの戦いになりました。第一戦の鹿島アントラーズVS川崎フロンターレでは金崎夢生のヘディングゴールにより鹿島アントラーズが下克上を成し遂げました。このゴールは実は日本代表の攻め方にも通ずる形で、今後の攻撃の形のお手本となると私は考えています。金崎夢生のゴールから考える日本代表の攻撃の正攻法を追求します。
金崎夢生のゴールへの嗅覚
まずは今回の金崎夢生のゴールの解説をしましょう。
ゴールそのものがすごいというよりは「ボールが来る前の動き」が素晴らしいと言えます。
いわゆる「オフ・ザ・ボールの動き」ってやつですね。
ボールが自分のところに来る前に相手DFとの駆け引きがあります。
①相手の背後にポジションを取り、視野から消える。
※画像は【ハイライト】川崎フロンターレ×鹿島アントラーズ「2016 Jリーグチャンピオンシップ 準決勝」より
この時点では川崎フロンターレのDFはボールを見ていて金崎夢生のことはほとんど見えていない状態にあります。後ろに居ることはわかっている程度の把握状況でしょうけれども視野から消えています。
ボールに近いのは川崎フロンターレのDFですから、先にボールに触れる可能性が高いのは金崎夢生ではありません。
しかしあえてこのポジショニングを金崎夢生が取っているところがミソです。
②ボールが上がったタイミングで相手の前に出る
視野から消えていた金崎夢生はボールが上がったタイミングで突如、川崎フロンターレDFの前に「グッ」と出てポジションを取ります。
DFの心理としてはボールが自分の前に来るのか後ろに来るのかわからないという状況で少しスピードが落ちるのを逆手に、金崎夢生は失敗してもニアで潰れてファーサイドのスペースでチャンスができるという点も考慮し前に出れるという心理戦が垣間見えます。
③絶対DFより先に触る
結果的に金崎夢生の駆け引きが成功し、DFより先にボールに触りシュート!
DFの視野から消えていたということももちろんですが、金崎夢生の方が後ろに居た分、助走距離が取れるのでスピードに乗れるというのもひとつポイントだったのではないでしょうか。
④ニアでのヘディングシュートによるゴーーーーーール!!!!!
この一点が結果的に決勝点となり鹿島アントラーズがチャンピオンシップの決勝へ・・・。
やはり勝負強さが光る常勝、鹿島です。
日本代表が「ニア」で勝負すべき理由
このゴールは日本代表でも大きく有効に働く形だと個人的には考えています。
というのも日本代表の悪い癖として、崩して崩して相手を振り回すまでシュートを撃てないという癖があります。
しかしサイドを起点にセンタリング⇒シュートの形で点が取れれば、崩せずも引いた相手から点を取れるでしょう。
しかも低く、速いセンタリングに関しては「高さ」が関係ないのです!
日本人は他の国に比べたら圧倒的に高さが足りない選手が多いのでこういったスピードや駆け引きで勝負するべきです。
ですからこのニアサイドでの勝負にこだわるべきだと私は思います。
ニアで勝負できる日本代表候補
この形を得意とする選手で一番最初に思い当たる選手としてはイングランド・プレミアリーグのレスターで活躍する岡崎慎司が筆頭でしょう。
ドイツ・ブンデスリーガのケルン所属の大迫勇也の安定感により世代交代なんてニュースも飛び交っていますが、やはり岡崎慎司の偉大さを無視はできません。
2015年のAFCアジア最優秀選手の最終選考にまで残っている逸材ですから、まだまだ活躍してくれるでしょう。
また注目として浦和レッズの武藤雄樹も挙げておきましょう。浦和レッズに来てエースナンバー9を背負い、コンスタントに点が取れるようになった背景には「オフ・ザ・ボール」の動きがあることは間違いありません。
ニアでの勝負に勝てればW杯に行ける!!頑張れ日本!!
【ハイライト】川崎フロンターレ×鹿島アントラーズ「2016 Jリーグチャンピオンシップ 準決勝」
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トップ・アイキャッチ画像引用元: 【日本代表ワールドカップ予選】3/24 アフガニスタンから5ゴールを奪う