湘南ベルマーレ、チョウ・キジェ監督の目指すサッカーは?
ただいまベルマーレ公式ホームページにて曺貴裁監督の「ボイス」が掲載されています!監督の熱い思いがビシビシ伝わります!ぜひ、ご覧ください!https://t.co/rIBHeE0GWM #bellmare pic.twitter.com/ZOnijXF4T3
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2016年3月12日
Jリーグ2016年シーズン、盛り上がってます!!
今年は各チームに、独自のスタイルが色濃く出ています。
広島のサイド攻撃、ガンバのショートカウンターには更に磨きがかかり、また新加入選手の影響でバリエーションも増えることでしょう。 浦和は昨年までの反省を踏まえ、「前線からの守備」を新たなテーマに掲げています。
監督が移動したチームも楽しみです。
FC東京からマッシモ・フィッカデンティ監督を迎えた鳥栖は、そして固いブロックを形成する守備をベースに上位進出を狙います。
元・柏レイソル監督の吉田達磨が率いる新潟は、ポゼッションへの意識を浸透させ、昨年とは異なるスタイルを構築しつつあります。 そんな中、特徴的なスタイルという点で注目すべきチームがあります。
チョウ・キジェ監督率いる湘南ベルマーレ。 チョウ・キジェ監督の目指すサッカーはどういうものなのでしょうか?
キーワードは「シームレス」
チョウ監督率いる今年の湘南ベルマーレ、そのサッカーを語るのに欠かせないキーワードは「シームレス」です。
「シームレス」とは「継ぎ目のない」といった意味です。
サッカーには「攻守の切り替え」という概念があります。 ボールを奪った時、いかにすばやく攻撃に転じられるか。 あるいはボールを失った時、どれだけ瞬時に守備に入れるか。 このスピードが早ければ早いほど、ゲームを優位に進められる、という考え方です。
これを一段進めて、というか、「攻守の切り替え」という概念を越えたところにあるのが、チョウ監督の掲げる「シームレス」なサッカーです。
「今は攻撃の時間、今は守備の時間」という分け方はしない
「攻撃も守備も目指すところは同じ ・守備は攻撃のため、ゴールを奪うためにある」 単純化するとこういう感じでしょうか。
気持ち良い青空の馬入。今週も練習スタートです! #bellmare pic.twitter.com/mSvhFxCfDv
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2016年3月8日
攻撃と守備の境目がない、連続したサッカー
昨年までの湘南は、マイボールになると選手が5、6人と一気に相手陣内に出ていき、波状攻撃を仕掛けるダイナミズムが特徴でした。
味方を追い越してどんどん選手がなだれ込んでいくため、それができるだけの走力をベースにしたチーム作りがされており、昨年は走行距離、スプリント回数でリーグトップを記録しました。
これに加え今シーズンは、攻撃と守備を分けないで考える、というテーマを掲げているわけですから、切れ目のない連続したサッカーを実現するために、さらなる運動量が求められるでしょう。
実際に湘南でピッチに立つ選手たちは、休むことなくハードワークし続けるメンバーばかりです。 昨年までの波状攻撃はそのままに、今年はボールを奪われた時に特徴が出るように思います。
ボールを奪われても守備のために一度引いてブロックを固めることはなく、その場で一人目、二人目、三人目...と次々にボールを狩りに行き、奪い返す勢いそのままに攻撃が続く...こんなハイテンションの展開を狙っているのではないでしょうか。
左CB三竿雄斗の動き
特徴的なのは3バックの左を務める三竿雄斗の動きです。
3バックの左というのは本来、自分の守備エリアに穴を開けないために、あまり攻め上がったり、ポジションを動いたりしないもの。 にもかかわらず、この三竿はガンガン攻撃参加し、それがチームの大きな武器となっています。
なぜこれができるのかというと、チームとしてのコンセプトの共有が、高いレベルでできているからでしょう。
あるインタビューで、チョウ・キジェ監督は次のように語っていました。
+++ DFラインの裏にスペースがある状況よりファーストディフェンダーが決まらない状況をリスクと捉えている +++ 「Number Web」より http://number.bunshun.jp/articles/-/825221?page=3
ハイテンポな攻撃の途中で、ボールを奪われたら、勢いそのままに奪い返し、そのままゴールに向かっていく―。
このようなチームとしての狙いがうかがえます。 逆にこの意識が徹底されておらず、ボールを奪われて一息ついてしまったり、中途半端なプレスのかけ方になってしまうと、空いた自陣裏のスペースへのカウンターでピンチを招いてしまいます。
ですが、ハイリスク・ハイリターンともとれるこの戦術がハマった時の破壊力は計りしれません。 欧州サッカーにも精通し、戦術家として知られるチョウ・キジェ。
「シームレス」が高いレベルで完成した時の湘南のサッカーが楽しみです。
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