ブンデスリーガ第25節、首位バイエルン・ミュンヘンと2位ボルシア・ドルトムントの試合が行われました。結果は0-0のスコアレスドロー。2位のボルシア・ドルトムントにとっては勝ち点差を詰められず、試合数を消化した形となり非常に痛い引き分けとなりました。この頂上決戦に出場はもとより「ベンチ外」という屈辱を味わった香川真司の起用について監督のトーマス・トゥヘルが言及しています。
「戦術的理由」とは何なのか?
Kann der BVB seine "Mainz-Serie" fortsetzen? #bvbm05 https://t.co/NsYatzRQ4q pic.twitter.com/nd216gTc1b
— Borussia Dortmund (@BVB) 2016年3月12日
ブンデスリーガ公式サイトにトゥヘル監督のコメントが掲載されていますが、香川真司をベンチ外にした理由を「戦術的理由」としています。
この試合では「背番号10」のポジションの選手を据えることは難しかったと語るトゥヘル監督。
背番号10とは実際に着用しているユニフォームの背番号ではなく、「トップ下」いわゆる攻撃的ミッドフィルダーのことを指します。
圧倒的な実力を兼ね備えるバイエルン・ミュンヘン相手に「5バック」を採用し、オーバメヤンやマルコ・ロイスなどの快足攻撃陣に数少ないチャンスをカウンターで物にさせようという意図が感じられました。
勝負の世界にリスクは付きもの
このような守備的戦いに個人的にはつまらなさを感じます。0-0のスコアレスドローという結果は観戦する立場としては最も退屈でつまらないものです。
こういった試合があるとやはり先日の記事でも書いたマガト氏の「スコアレスドローは勝ち点0」案は非常に素晴らしいものなのかなと思います。
いくら絶対王者バイエルン・ミュンヘンだからとしても2位に付けているチームが下位順位のチームのような守備重視の戦法というのは相手をリスペクトし過ぎではないでしょうか?しかも1位、2位の直接対決。この試合の時点での勝ち点差は5だったので直接対決はリスクを取ってでも「絶対勝利」の姿勢を見せて欲しかったです。
カウンター1-0狙いで勝ちに行っていたともしトゥヘル監督が考えていたなら「らしさ」を失っているとしか思えません。
いずれにしろ香川真司が少し調子を落としていたとしても「守備的戦術」の餌食になったことは否めません。
日本代表でこのようなケースは考えられるか?
もちろん監督の考え方によっては相手が格上のチームの場合、日本代表でも「5バック」や「3バック+アンカー」などの守備的戦術を採用する可能性はあります。
ハリルホジッチ監督は2014年ブラジルW杯では相手、相手によりフォーメーションを変更し、スタメンに変化を付け、アルジェリア代表をベスト16まで導いた「カメレオン」的な戦術の持ち主であります。
香川真司が日本代表でそういった戦術により試合に出られなく、同じような戦術的餌食になることは十分考えられます。
サッカーではよく「替えの利かない選手」という表現をしますが、残念ながらドルトムントでも日本代表でもそのレベルには到達していない気がします。
Wエースと比較されるACミラン、本田圭佑の方が日本代表では結果を出しているのでどちらかと言うと本田圭佑の方が替えが利かない選手感が出ています。
香川真司には「アシスト」や「ゴール」という目に見てわかる結果がそろそろ求められる時期になってきたようです。
Bayern Lose and Dortmund Win Ahead of ‘Der Klassiker’ - A Twist in the Title Race?
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記事中画像・アイキャッチ画像引用元:Opel ASTRA Challenge: Henrikh Mkhitaryan vs Shinji Kagawa Borussia Dortmund