Jリーグ・アンダー22選抜の存在意義とは?
現在J3にはJリーグ・アンダー22選抜が所属しています。このチームは「日本サッカーの将来を担う若手選手により多くの実践経験を積む機会を提供し、それによって当該選手を育成強化し、日本サッカーの発展を資することを目的として」参加しているチームです。(Jリーグ規約・規定集2015、J3リーグへの特別参加枠に関する特則第3条〔特別参加枠チーム〕(1)の中から引用)。
選手構成は2015年シーズンの場合J1・J2各クラブの中で1993年1月1日以降に生まれた選手を対象とし、所属クラブの了承を得た選手を招集し結成されます。今回はJリーグ・アンダー22選抜の成績を見ながら存在意義を考えていきます。
アンダー22、過去の成績
2014年のJリーグ・アンダー22選抜の結果は12チーム中10位、9勝6分18敗の勝点33、得点37失点63の得失点差-26です。この成績だけを見ると情けない感じもします。ただ、このチームは全試合がアウェーで行われるため北は東北、南は沖縄までクラブが所属しているJ3では自チームからの長距離移動を行う必要があります。
また、試合前々日に招集され合同練習が行われるのは試合前日だけであり、連携を深める時間はほぼないといっても良い状態なのです。そして、招集される選手がいつも同じではない、言い換えれば、レギュラーメンバーが固定されていないので意思統一が難しくなってしまいます。それゆえ連携不足が否めず失点してしまいます。つまり、失点に関しては仕方ない部分もあるのです。
実際2014年に関しては全33試合中26試合で失点し、その中の17試合で複数失点を喫しています。また、2015年もJ3に加盟1年目のレノファ山口に8失点する記録的大敗を喫しています。他にも、J3のクラブといえどもJ2から降格してきたクラブがあったり、J1や日本代表でのプレー経験のある選手もいるので実戦経験の乏しい若手で構成されたアンダー22選抜は戦力的にはどうしても劣っていしまいます。
存在意義はあるのか?
もともとJリーグ・アンダー22選抜は若手の育成のため出場機会の少ない高卒の選手に試合経験を積ませる目的で結成されました。若手に試合経験を積ませる目的はわかるのですが試合を見ていると完膚なきまでに叩き潰される事が多いため、これでは若手が自信を失ってしまうのではないかと思う時があります。
ただ、失敗をして学ぶことにより強くなっていく姿を見てみたいと期待してしまう部分もあります。また、常にアウェーを経験させることで精神面の強化や移動中や遠征先での過ごし方を学び、いつものスタジアムではない環境での試合運びを考える事は、将来代表に選ばれた際の海外遠征の時の参考になると思いますし、少しでも同じ世代の選手と一緒に試合を行うことで代表チームでの一体感が生まれやすくなると思います。
今後のJリーグ・アンダー22選抜
Jリーグ・アンダー22選抜の参加目的も若手の育成という大きなくくりではなく、具体的な目標に向かっての育成も考え方としてはありだと思います。例えばオリンピックを見据えての選手起用を行うのであれば、今後はJリーグから特別指定されている大学生も選んでも良いと思います。
なぜなら、オリンピック代表には大学生の選手も選ぶことができる事と大学で知識・経験を身に付けている事、そしてすでに練習や試合に参加する事でプロの雰囲気を肌で感じているからです。実際、天皇杯を見ていると大学生にも能力の高い選手がいる事がわかります。
インテルミラノの長友佑都選手や名古屋グランパスの永井謙佑選手など大学時代に成長して頭角を現した選手は少なくありません。また、ユース出身で大学で経験を積んだ後Jリーグの舞台に上がってくる選手もいます。
そういった選手たちを参加させることができれば実際のオリンピック代表のチーム構成に近づける事ができるため、本番を見据えての戦力強化を行いやすくなり、その後の日本代表の強化にもつながるのではないでしょうか。
Jリーグ・アンダー22選抜はまだ始まったばかりなのでJリーグや日本サッカー協会が少しづつ試行錯誤しながら今後どのような動きをサッカーファンに見せてくれるのか、期待しておきましょう。
【ハイライト】SC相模原×Jリーグ・アンダー22選抜「J3リーグ 第1節」 - YouTube
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引用画像:YouTubeより