オーストラリアで行われたアジアカップで日本はUAEにPKの末に敗退しました。PKは心理戦とも言われます。私も人生で数回PKキッカーとしてPKを蹴ったことがありましたが、本当に色々なことを考えました。キッカー側の心理、GK側の心理には深いものがあります。たくさんの人間から視線を浴びて緊張するのはもちろん、キッカーは決めなければいけないプレッシャーもありますし、GKは止めたらヒーローになれるというモチベーションがありそれぞれのポジションによって考えることが異なります。そんなPKついて掘り下げていきます。
PKキッカーとしての心理
PKの場合90分でも決着が付かず、延長戦でも同点だった場合に突入する「PK合戦」と通常の試合の流れでペナルティエリア内でのファウルからのPKの2種類あります。特に「PK合戦」になった時のキッカー側にかかるプレッシャーは半端じゃありません。その会場にいる全ての人間の目が自分に向けられているわけですから緊張もします。まずはその緊張を乗り越え落ち着いて蹴れるかどうかが大前提となるでしょう。PKにおけるそれぞれのタイミングでの心理状況を見てみましょう。
1、目線
PKはボールをPKマークに置く前から勝負は始まっています。まずは「目線」での駆け引きです。キッカーは自分が蹴りたいコースに目線が行きがちですが、裏をかいて逆の方を見るキッカーもいますし、助走をとってから目線がばれないように後ろを向くキッカーがいたり様々です。GKに勘繰られないように目線に配慮することは誰もが考えるでしょう。
2、蹴るコース
蹴るコースに関しては「事前にコースを決めておく派」、「GKの動きを見て蹴る派」、「なりふり構わず振りぬく派」などあります。
ちなみに私は「事前にコースを決めておく派」でした。自分から見て「左」の下と決めていました。右利きで対角の左側に体を捻りながらシュートを撃てるので割と強くスピードのあるボールを正確に蹴る自信があるからです。
「GKの動きを見て蹴る派」と言えばG大阪の遠藤保仁でしょう。「コロコロPK」と言うことで一世を風靡したことは記憶に新しいと思います。
あとは「なりふり構わず振りぬく派」は2002年の日韓W杯でイングランドのベッカムがアルゼンチン相手に決めたPKなどが代表例でしょう。まさに「魂のシュート」といった感じです。
GKがPKの際思うこと
続いてGK側に立って考えてみましょう。GKにとってPKは「最大のピンチ」であり「最大の見せ場」でもあります。あの至近距離からフリーでシュートを撃たれるわけですから入って当たり前なのです。止めたら英雄扱いされます。GKの心理としてはどのようなことを考えるのでしょうか。
1、観察、立ち位置
前述したとおりPKは蹴る前から勝負は始まっています。GK側が考えることは「キッカーの目線」、「蹴る瞬間の軸足の向き方」などでしょう。
目線や軸足の向きなどで単純にそっちに蹴るキッカーもいます。キッカーが冷静ではいられず緊張しているような時はこの辺りに注目することは有効でしょう。
またGK本人の立ち位置で駆け引きをする選手もいます。真ん中から微妙に左右どちらかに寄っていれば、「誘っているのかも・・・。」と思うキッカーもいれば「ラッキー!寄ってないコースがガラ空き!」と思う選手いると思いますがそこは心理戦です。
2、情報
特にPKキッカーのコース情報はGKにとっては知っておきたい情報です。キッカーが「事前にコースを決めておく派」だった場合は確率論からいって今まで蹴る回数が多かった情報に基づき飛べばセーブの可能性も上がります。分析部隊があるチームはこの辺りの情報は徹底しているでしょう。
チームメイトの中にPKキッカーの情報を知っている人がいる場合PK直前にGKに情報を教える選手もいるそうです。
例えば代表合宿後にリーグ戦があった時などは同じ代表での練習での記憶を頼りにクラブでのチームメイトにPKキッカーのコースを伝えることはよくあるらしいです。
PKキッカーのキックの種類
PKでのキックの種類が最近多様化しています。「インステップで強烈なシュートを撃つタイプ」、「インサイド、インフロントで丁寧にコースを狙うタイプ」、「チップキック」などです。とくに最後の「チップキック」は流行と言っても良いかもしれませんが、GKのタイミングをうまく外せる「演技力」と余程の「度胸」が必要です。UAE戦で日本代表もやられましたが、やられた方は非常にイラッとします(笑)
このようにPKは様々に複雑化されますがキッカーとGKの戦いは永遠に続きます。新たなPKの蹴り方、GKの心理など出てきたらまた紹介します。
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