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— FC Bayern English (@FCBayernEN) 2016年3月25日
「0バック」という耳慣れない言葉が、ドイツの地から飛び込んできました。 4-4-2や、4-2-3-1、はたまたツートップ、スリーバックなど、サッカーのシステムを表す言葉はいろいろありますが、「0バック」というのはさすがにきいたことがありません。 バイエルン・ミュンヘンを率いる「ペップ」こと、名称ジョゼップ・グアルディオラ監督が採用した「0バック」とは何なのか、ひもといてみます。
「0バック」とは
2月14日、ドイツ・ブンデスリーガ、アウクスブルグ戦を前に、バイエルン・ミュンヘンにはケガ人が続出します。
しかもセンターバックばかりが呪われたかのように次々と鮮烈を離れていったのです。 ジェローム・ボアテングにハビ・マルティネス、メディ・ベナティアにホルガー・バトゥシュトゥバ―、そして冬の移籍でモスクワからやってきたザーダール・タスキまでもが、プレーできない状態になってしまいました。
この非常事態に、グアルディオラ監督が生み出したのが、0バックと呼ばれるシステム。 とは言っても、なにもDFがいないわけではなくて、本職のセンターバックがピッチ上にいないフォーメーションです。
アウクスブルグ戦の4枚のDFの並びは、右からラーム、キミッヒ、アラバ、ベルナトとなりました。 ラームは高いレベルで様々なポジションをこなす、言わずと知れたユーティリティープレーヤー、そして左SBのベルナトも攻撃的なウィングプレーヤーです。
そして特筆すべきは中央の2枚、キミッヒとアラバ。
キミッヒの本職はボランチで、ビルドアップ能力に長けた若手のホープです。隣のアラバはもともとサイドバックのトッププレイヤー。
この4人が最終ラインに並びます。乱暴な言い方をすれば、守備的な選手がピッチに一人もいない布陣、それが0バックです。
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— FC Bayern München (@FCBayern) 2016年3月22日
「0バック」で見えてくるもの
0バックというのは、見た目はふつうのシステムと変わりありません。
違うのは、心構えというか、姿勢の部分かと思います。 圧倒的なポゼッションを志向するグアルディオラ監督のサッカーには、後方からのビルドアップにクオリティが求められます。
守備固めではなく、ビルドアップの質を高めるためにセンターバックの選手を交代させることもあるほどです。 ボアテングやバトゥシュトゥバ―などセンターバックプロパーの選手にもビルドアップや攻撃参加を求めてきたグアルディオラ監督の理想形が、この0バックシステムにより、図らずも見えてくる可能性があります。
キミッヒなどはグアルディオラ監督の現役時代を彷彿とさせるようなプレースタイルです。後方から長短おりまぜたパスでゲームを組み立てる彼のプレーをみていると、選手としてのグアルディオラがグアルディオラ監督の下でプレーしていたら・・・という妄想がかきたてられます。
0バックでもたらされるもののもう一つは、連動性でしょうか。 スペイン代表などで、フォワードなしの「0トップ」というシステムがありました。 フォワード登録の選手を置かず、イニエスタ、シルバ、セスクなどのMF陣が有機的に動いて絡み合いながら相手を崩していく、蠱惑的なスタイルでした。
ディフェンスはポジションを埋める必要があるので、前線の選手ほど動きまわることは出来ないのですが、それでもボランチやサイドを経験した選手で構成されるディフェンスラインは、流動的にポジションを変化させることを可能にします。
センターバックが持ち上がった時にボランチが埋めるとか、ビルドアップの際にサイドバックが大きく出て行くとか、そういうダイナミックな展開が生まれやすくなります。 これもまた、グアルディアオラ監督の狙いの一つでしょう。
アウグスブルク戦を3-1で勝利し、0バックに手応えを感じたバイエルンは、その後も0バックを使っていきます。 もちろん守備のもろさという課題はあるにせよ、サッカーの進化系が垣間見える、未来志向のシステムです。
Guten Morgen, #FCBayern-Fans! Wir starten mit einem lockeren Trick. Was macht ihr so nach dem Aufstehen? 😉 pic.twitter.com/mOnu1dSsbz
— FC Bayern München (@FCBayern) 2016年3月23日
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