いま、Jリーグで一番勢いのある選手を一人あげるとすればサンフレッチェ広島のFW浅野拓磨を挙げる人もいるかと思います。サンフレッチェ広島ではレギュラーを掴んではいないものの、ジョーカーとして途中出場した試合では必ず流れを変えるようなプレーを見せています。抜群のスピードを持つ浅野拓磨がU-22日本代表をリオデジャネイロ五輪に導けるのか!?
鳴り物入りでプロへ
高校時代には三重県の四日市中央工業のエースとして第90回選手権では、初戦から決勝戦まで毎試合得点を挙げ大会得点王に輝きました。
2013年に複数のJクラブからのオファーの中からサンフレッチェ広島を選択し、プロ入りした浅野拓磨ですがこれまで決して平坦な道のりではなかったでしょう。
佐藤寿人や皆川佑介との熾烈なポジション争いもあり、いままではカップ戦中心のみの出場でした。
五輪予選後に迷いが吹っ切れ、スピードスターとしての才能が開花
3年目となる今シーズンは開幕してから2試合スタメンで出場した浅野拓磨ですが得点という結果が出せずに苦しんでいました。
リオ五輪1次予選でも召集され、初戦のマカオ戦にスタメン出場しましたが7-0と日本が大勝しながらも浅野拓磨はノーゴールに終わり、残りの2試合でもゴールすることができませんでした。この五輪予選での浅野拓磨は自分の特徴であるスピードをいかすプレーができず、周りとの連携もうまくはいっていませんでした。
しかしこの五輪予選での悔しさや危機感が良い方向に出たのか、広島に合流後の4月18日のFC東京戦でJリーグ初ゴールを決めると、5月2日の仙台戦でもゴールを決めました。
この仙台戦での浅野拓磨のゴールは、彼の良さが凝縮された素晴らしいゴールでした。
仙台のボールを自陣ゴール前で奪ったボールがMF青山敏弘の元へ。
青山敏弘がボールを持つと、浅野拓磨は相手の背後を取り、そこへ青山敏弘が絶妙なロングパスを通します。
浅野は一瞬のスピードで相手を置き去りにして、GKと一対一になり落ち着いてゴールへ流し込みました。
浅野拓磨の特徴
浅野拓磨の特徴は50m、5.9秒のスピードを活かしたランニング、ドリブルです。
スピードを活かして、オフザボールのときに何度も相手DFの背後を狙って飛び出し常にゴールを狙っています。
この特徴をどのように活かしてゴールできるのかという感覚を、プロ入り3年目の浅野拓磨が徐々に掴んできて今シーズンの活躍に繋がっていると思います。
リオ五輪 U-22のエースになれるか?
リオ五輪出場を目指すU-22日本代表には、久保裕也・南野拓実・野津田岳人など得点を取れるタレントが揃っています。
ただ彼らはストライカーというより、2列目やサイドからゴールを狙うタイプの選手です。1トップとしてどっしり構えてゴールを狙うストライカータイプは鈴木武蔵と浅野拓磨の2択といっても過言ではありません。
二人は全く異なるタイプで鈴木武蔵は高さ、浅野拓磨はスピードと相手によって手倉森監督のチョイスも変わってくるのでしょうか。
予選では久保裕也をFWとして起用し、フォーメーションは2トップを採用した試合もありましたが、うまく機能はしませんでした。
この世代で1番の問題はJリーグで試合に出ている選手が少ないということです。
その点、浅野拓磨は途中出場が多いものの、着実に出場時間数を伸ばし試合感が衰えている心配もなく最終予選を迎えられるという利点もあります。
また中盤の核の1人になるであろう広島の野津田岳人とはJリーグやナビスコ杯で抜群のコンビネーションでゴールネットを揺らしているので、この二人を組ませるのも良いのではと思います。
今の浅野拓磨には迷いが見られません。相手と一対一になれば迷わずに縦へ、ときには中へとスピードでDFを翻弄できるので相手にとっては驚異的な存在になるのは間違いありません。リオ五輪最終予選でも持ち前のスピードでゴールを量産して欲しいですね。
【ベストゴールノミネート】 浅野 拓磨(サンフレッチェ広島)「J1リーグ 1st 第6節」 - YouTube
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